1961年(昭和36)1月24日平城宮跡第5次調査ではじめて木簡が出土してから15年後には出土総点数が2万点を越え、さらに各地でも木簡の出土が相次ぐ中、木簡の記載内容だけでなく、資料として、発掘遺物として、木簡自体の基本的かつ総合的研究が急務と考えられるようになった。
それを受けて調査関係者や諸専門分野の研究者による「第一回木簡研究集会」が奈良国立文化財研究所に於いて開催されたのが1976年(昭和51)1月のことである。
この研究集会は当初3回おこなう予定で、1977年(昭和52)1月に「第二回木簡研究集会」、同年12月に「第三回木簡研究集会」が開催された。予定を終了し、極めて大きな成果を得た反面、残された問題も多く、さらに「木簡学」を発展させる新たな場の確立が必要とされた。
「第三回木簡研究集会」終了後、参加者の一部から新たな木簡研究の学会組織設立の提案がなされ、準備委員が選出、1979年(昭和54)3月31日に木簡学会設立総会が開催されることとなった。
1979年(昭和54) 3月31日 設立総会
4月
1日 研究集会
第一回委員会 初代会長に岸俊男氏を選出
12月 1 ~
2日 第一回総会・研究集会 於 奈良国立文化財研究所平城宮跡資料館
『木簡研究』創刊号刊行
1989年(平成元)12月 平城京出土木簡の保存・公開及び平城宮東院南方遺跡の保存についての
要望書の提出
1990年(平成2)11月 木簡学会10周年記念事業『日本古代木簡選』刊行
1991年(平成3)7月29日~ 中国簡牘学国際学術研討会(中国甘粛省蘭州市)に会員の大庭脩氏・
8月2日 永田英正氏・佐藤信氏が参加
1992年(平成 4) 4月~ 新入会員の入会審査保留
1994年(平成 6) 3月 (2年間、入会凍結)
1994年(平成4) 9月23~24日 新潟特別研究集会開催(はじめての特別研究集会開催)
1997年(平成 9) 4月 団体会員制度の開始
1998年(平成10) 6月5~6日 長野特別研究集会開催
2000年(平成12) 6月 京奈和自動車道の平城宮跡地下通過計画の撤回を求める要望書の提出
2002年(平成14) 7月5~6日 但馬特別研究集会開催
2003年(平成15) 5月 木簡学会20周年記念事業『日本古代木簡集成』刊行
2003年(平成15) 6月 平城宮・京跡の木簡の保存を訴える緊急アピール表明
2006年(平成17) 9月15~16日 九州特別研究集会開催
2006年(平成18)12月 総会声明 平城宮・京跡の木簡の保存を訴える声明を送付
2007年(平成19)12月1日 木簡学会第29回研究集会に韓国木簡学会会長朱甫暾氏を招聘
韓国木簡学会との交流が始まる
2009年(平成21)12月 6日 木簡学会30周年記念奈良公開シンポジウム
「木簡から古代がみえる-解き明かすあゆみ 木簡研究の30年-」開催
2010年(平成22) 9月3~4日 多賀城特別研究集会開催
2011年(平成23) 4月 会員区分の変更(会費会員)・海外団体会員制度の開始
2014年(平成26) 9月5~6日 出雲特別研究集会開催
2015年(平成27) 4月 名誉会員の創設
2016年(平成28) 4月 40歳未満の会員に対する会費割引制度の開始
2018年(平成30) 6月8・9日 静岡特別研究集会開催
2020年(令和2)12月5日 第42回総会・研究集会をはじめてオンラインで開催する
木簡学会では創立以来、節目の年に記念事業をおこなっています。
10周年を記念して刊行されたのが『日本古代木簡選』(1990年 岩波書店)で、20周年には『日本古代木簡集成』(2003年 東京大学出版会)を刊行いたしました。
30周年には、2009年12月6日(日)に奈良県新公会堂1階能楽ホールにおいて木簡学会30周年記念奈良公開シンポジウム「木簡から古代がみえる-解き明かすあゆみ 木簡研究の30年-」を開催。その内容は30周年記念事業として出版した岩波新書『木簡から古代がみえる』(2010年 岩波書店)に収載されています。
40周年には『木簡研究』のPDF公開をスタートさせ、このホームページも40周年記念事業の一環として開設されました。
木簡学会設立前・設立直後の話を含め木簡学会のあゆみについては『木簡研究』第32号177頁~209頁〈小特集 木簡学会の30年〉をご参照ください。